ロコモティブシンドローム
日本整形外科学会では、運動器の障害による移動機能の低下した状態を表す新しい言葉として「ロコモティブシンドローム(以下「ロコモ」)(locomotive syndrome)」を提唱し、和文は「運動器症候群」としました。Locomotive(ロコモティブ)は「運動の」の意味で、機関車という意味もあり、能動的な意味合いを持つ言葉です。運動器は広く人の健康の根幹であるという考えを背景として、年をとることに否定的なニュアンスを持ち込まないことが大事であると考え、この言葉を選びました。今までの運動器不安定症は運動機能低下をきたす疾患が存在すること、日常生活自立度判定がランクJまたはAであること、運動機能評価テストの項目を満たすことが条件となります。一方「ロコモ」はより広い概念で、運動器の障害により移動機能の低下した状態を言います。運動器障害は徐々に進行することから、自分で気付くことが重要です。例えば「階段を上るのに手すりが必要である、15分くらい続けて歩けない、片足立ちで靴下がはけない、横断歩道を青信号で渡りきれない、家のなかでつまずいたり滑ったりする」場合などが含まれます。ロコモ度テスト1〜3のうち、1つでも該当する場合、あなたはロコモです。定期的にロコモ度テストをおこない、移動機能の状態をチェックしましょう